2019.4.30

TOkyo modelsと私の裏話

 

 

 

改めまして、TOKYO MODELSにご来場いただいた皆様ありがとうございました!

 

たくさんの方とお会いする事ができ、非常に実りのある充実した12日間でした

 

 

 

 

私がTOKYO MODELSのお話をいただいたのは5か月ほど前のこと

 

きっちん篠山さんから「小林幹幸さんに佐倉彩海との作品で出てほしいと言われた」と連絡をいただきました

 

その時はただただ嬉しくて、「ぜひ!」と即答した事を覚えています

 

 

 

 

撮影は写真集のキャプションにある通り、雪のちらつく寒い冬の日でした

 

いや、本当に雪降ってたんですよ!

 

あの格好なだけにとても寒かったのですが、むしろ寒さのおかげで緊張感が出ていつも以上に集中して撮影に臨むことが出来ました

 

篠山さんとの撮影はいつも一日がかりでカメラは5・6台用意されてあります

 

当日のスケジュールもみっちり管理されていていつも事前の連絡をいただく度、気合が入ります

 

篠山さんは写真にシビアで、いい意味で甘やかされる事はありません

 

私はそれに一生懸命応えようと毎回しがみつきながらやっております

 

でも私は篠山さんのお写真が大好きだからずっと写り続けていたいし、甘やかされるとだれる私にとってはその方がいいんです

 

被写体としてすごく成長させてくれるカメラマンだなと思っています

 

 

 

 

 

それからしばらくしてメンバーが発表され…驚愕しました

 

小林幹幸さんをはじめ、HASEOさん、青山裕企さんなど写真業界の第一線で活躍されているプロ、そしてアマチュアであるにも関わらずポートレート界隈で有名な方たちが名を連ねていました

 

そこに私の名前があるのが信じられず、佐倉彩海の名前を何度も何度も確認しました

 

いや、待てよ、そもそも私は佐倉彩海なのか…!?と思ったことも(笑)

 

お話をいただいた時はとても嬉しかったのに、メンバーを知ってから急に自信がなくなってしまいました

 

なんで自分が選ばれたのか、考えてみても皆目見当もつかなかったし、考えたところで優れた人と比較ばかりして自信が湧くどころか失う一方

 

なんでこんな身の丈に合わない仕事なんかしなきゃならないのだと、憂鬱な毎日が続きました

 

 

 

そして会期中初めての土曜日、参加者のみのパーティーに出席しました

 

周りはSNSでお名前をよく聞く方や有名なモデルさんばかりで、私は壁際にひとり身を潜めていました

 

すると「佐倉さんですよね?展示とかSNSで写真よく見ています。今度ぜひ撮らせてほしいなと思っています。」とお声かけ下さった方がいて

 

まず、私の名前を知っている時点で飛び上がるくらいびっくりなのに撮りたいだなんて…ただただありがとうございますありがとうございますと繰り返すばかりでした

 

それから何人かお声かけ下さって、自分が思っているよりも名前が知れている事に嬉しさより驚きの方が大きかったです

 

え、なんでみんな知ってるの…って感じ(笑)

 

 

 

 

それからの土日は全て在廊しました

 

カメラマンでも有名モデルでもないくせになんでお前そんなにいるの?と思われていたと思います、その節は本当にすみませんでした

 

フリーの私にとって、このTOKYO MODELSは被写体人生で二度とない大きなチャンスで、これを逃してはいけないと思ったんです

 

その結果、たくさんの方とお会いする事ができ、非常に実りのある時間を過ごす事が出来ました

 

10分撮影も好評で、予想以上に多くの方が撮影してくださってとても嬉しかったです

 

最終日、10分撮影から戻るとなんだか人だかりが

 

その輪の中にいる方は状況的に大御所なのだろうけど、お顔がよく見えないし、きっと私の知らない方なのだろうと思い、隅っこにひとり立っていました

 

するとその輪にいた出展者の一色卓丸さんが急に私に手招きをするのでそばに行くと、「この子がその作品のモデルさんです」と突然紹介されました

 

大御所のような方は私の写ったブックを手に取り、パラパラとめくったあと「いい写真なんだけど、表情が同じ。もっと目の表情を意識してみるといいよ」と一言

 

実は、目の表情のバリエーションと言うのが自分の中の最近の課題の一つだったので、まさか言い当てられるとは思っておらずとてもびっくりしました

 

その後まさかの一色さんの提案で撮影してもらえる事になり、セミナー状態に

 

するとその輪の中から「さすがハービーさん」という声が聞こえ、自分が今とんでもない状況にある事をその時初めて理解しました

 

ハービー山口さんって大御所中の大御所…名前は私でも知ってるぞ…なんと失礼なことを…

 

ともかく非常に貴重な経験をさせていただきまして、ラッキーガールだったなあ

 

 

 

 

 

撮影会にも事務所にも所属せず、大きな後ろ盾もなく、4年前誰にも言わずにこっそり始めた被写体活動

 

写真展に起用されても隅に小さく映っているだけだったり、条件が合わないと言えばネットに根も葉もない事を書かれたり

 

初対面の人に自己紹介した時、「ああ、有名じゃない方の佐倉さんね」と言われた事もありました

 

嬉しい事よりも辛い事の方が多かったこの4年間でしたが、頑張っていれば誰かが必ず見ていてくれる、そう思えた今回の展示でした

 

 

 

 

 

無名な私を見つけこんな素敵な舞台に招いてくださった小林幹幸さん

 

そしていつも私と向き合ってくださるきっちん篠山さんに心から感謝しています

 

 

 

 

 

最終日、ピクトリコギャラリーからの帰り道

 

SNSで有名になるより被写体として有名になりたい

 

そして、桜が散るまでの残り少ない時間を、大切に精いっぱい過ごそう

 

そう心に決めました